急性中耳炎があった場合、治療の選択肢は大きく3つです。
まず、経過観察。軽症の急性中耳炎の場合はなにもしなくても自然に治ることがあるので、お薬は使わず、様子を見ることがあります。
次に、投薬治療。もっとも一般的な治療であり、主に抗生剤を使って、炎症をおさえていきます。
そして、鼓膜切開。鼓膜を切って、鼓膜の向こう(中耳)にたまった膿を外に出します。その結果、痛みや熱が下がり、薬が効きやすくなりますが、一方で耳漏(耳だれ)が止まりにくくなったりすることもあります。
急性中耳炎の診療ガイドラインでは、重症では鼓膜切開が勧められていますが、中等症の場合、鼓膜切開は選択肢の一つにすぎず、施行すべきかの明確な規定はありません。
中等症以上でも切開せずに治るケースは珍しくありませんが、鼓膜切開を選択肢の一つとして提案できるのが、耳の専門家である耳鼻咽喉科を受診されるメリットだと思います。
結局のところ、鼓膜切開を含めた急性中耳炎の治療方針については、そのメリット、デメリットを十分説明し、本人(もしくはご家族)のご希望も踏まえながら、よく相談して決めていく必要があります。
分からないことがあれば、診察の際、どうぞ遠慮なくおたずねください。
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