「喉の違和感」を訴えられて耳鼻科を受診される方の多くは50歳前後の女性であり、その大部分に唾液量の減少を疑わせる所見を認めます。
シェーグレン症候群(全身の分泌腺が侵される自己免疫疾患)や、C型肝炎、糖尿病、甲状腺機能障害、副甲状腺機能障害、睡眠時無呼吸症候群などの全身疾患が原因で唾液量が減少していることがあり、「口腔乾燥症」が疑われる方はこれら疾患の有無を確認することが望まれます。
ストレスがあると実際に唾液量が減少します。また、十分な唾液量が出ていても、ストレスがあると口の乾きを感じやすくなります。軽い安定剤を飲むことで、口の乾きが劇的に改善することがあります。
口の乾きを副作用とする薬剤は多岐にわたります。実際、口の乾きを感じている人は、感じていない人の2倍以上のお薬を飲んでいる、という報告もあります。薬の種類を問わず、減らせる内服薬があるなら調整したほうがよいでしょう。
これらを組み合わせて、それぞれの方にあった、症状の改善を自覚できる治療を探していきます。