口腔乾燥症

口腔乾燥症とは

  • 「口腔乾燥症(口が乾いて困る)」で耳鼻科を受診する人は決して多くはありません。
  • しかし、言われてみれば口が乾きやすいと感じている人や、口の乾きの自覚はないけれど実は口が乾いているせいで「喉の違和感」などが生じている人は、特に高齢者では珍しいことではありません
  • 唾液は、日中多く、夜間は少なくなりますから、夜や朝方に口が乾きやすくなります。

 

唾液の量は、特に女性で、年齢とともに減少します。

「喉の違和感」を訴えられて耳鼻科を受診される方の多くは50歳前後の女性であり、その大部分に唾液量の減少を疑わせる所見を認めます。

 

何らかの病気が原因で唾液が減少することがあります。

シェーグレン症候群(全身の分泌腺が侵される自己免疫疾患)や、C型肝炎、糖尿病、甲状腺機能障害、副甲状腺機能障害、睡眠時無呼吸症候群などの全身疾患が原因で唾液量が減少していることがあり、「口腔乾燥症」が疑われる方はこれら疾患の有無を確認することが望まれます。

 

口の乾きはストレスでも出現します。

 ストレスがあると実際に唾液量が減少します。また、十分な唾液量が出ていても、ストレスがあると口の乾きを感じやすくなります。軽い安定剤を飲むことで、口の乾きが劇的に改善することがあります。

 

唾液の減少は、薬剤の副作用の可能性があります。

口の乾きを副作用とする薬剤は多岐にわたります。実際、口の乾きを感じている人は、感じていない人の2倍以上のお薬を飲んでいる、という報告もあります。薬の種類を問わず、減らせる内服薬があるなら調整したほうがよいでしょう。

 

口腔乾燥症の治療

  1. 外から加湿(うがい、こまめな水分摂取、マスク着用)
  2. 唾液の分泌を促進(唾液腺マッサージ、唾液分泌を促進する食物摂取)
  3. 薬物療法(人工唾液、保湿剤、去痰薬、漢方薬、唾液分泌作用のある胃薬、唾液分泌促進剤、安定剤など) 

これらを組み合わせて、それぞれの方にあった、症状の改善を自覚できる治療を探していきます。

皆さまに愛される、親しみやすいクリニックを目指して頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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